タイの会計で困ったら

タイでは複雑な税金処理や毎月の税金申告、そもそも会計担当者のスキルが低いなどの問題があります。
会計事務所に依頼をしていても、会計事務所は専門用語ばかりで説明がわかりにくいなどということもあり、タイの会計を完全に理解するのはなかなか難しいです。

会計事務所の良し悪しをチェック

現在依頼をしている会計事務所がきちんとしたところかどうか、また、自社で会計の締めを行っている場合、社内の会計担当者は適切に会計業務をこなせているかどうか、簡単なチェックポイントがあります。

昨年度の決算書、監査報告書内で以下の科目を探してください。

  1. Unclaimed Expenses(または Add back、もしくは Non-deductible Expenses)
  2. Loan to Director 
  3. Loan from Director
  4. Advanced payment

これらは数字の辻褄が合わない時に利用されやすい項目です。

1. Unclaimed Expenses 損金不算入費用

会社が経費として使った費用ですが、何らかの理由にて税務上の損金としては計上できない費用です。損金となりませんので法人税の計算では控除されません。つまり、税金の分だけ損をしてしまう費用です。

この科目の数字が大きい場合は、会計事務所か決算書を作成した会計担当者に、この科目の数字にどのような費用が含まれているかの具体的内容を聞いてください。この説明が曖昧な場合や、詳細を提示できない、「タイではこうなんです」なんていう会計事務所はすぐに変更したほうが良いです。

2. Loan to Director 取締役への貸付

これは取締役が会社から借金をしている金額です。「自分は取締役だけど会社からお金を借りた覚えは無い!」という方は、会計事務所が会計上のミスや辻褄の合わない数字をこの科目で調整してしまっています。知らないうちにあなたの借金が作られてしまっているという恐ろしい事態になっています。

3. Loan from Director 取締役からの借入

これは 2とは逆に会社が取締役から借金をした額となります。こちらも、会社とお金のやり取りをした覚えがないのに数字が増えたり減ったりしている場合、会計事務所が勝手にあなたと会社との間の架空の借金を作って調整しています。

4. Advanced payment 仮払金

例えば、何かを現金で購入する時に、明日購入して支払いをするが今日のうちに会社から現金を出しておく場合や、出張に行く前に必要な現金を会社から下ろしておく場合に、この仮払金が発生します。しかし、購入費や出張費の生産を行えばこの仮払金は0に戻りますので、ずっと残っているということはありません。実際には仮払金として会社が現金を引き出して渡すことはそんなにないのに、この数字が大きかったりずっと残っている場合は合わない数字をこの科目で調整しています。この科目は、Advanced to Director というような科目名になっていることもあります。

会計事務所からの言い訳

上記のチェックポイントに関して詳細を確認すると、会計事務所は開き直って「御社の社内できちんとした書類が作られていない」とか「お金の流れの記録が残されていないからだ」などという言い訳をすることがあります。もし、こうしたことが事実だとしても、それでは会計事務所はなぜ今まで放置して報告もしなかったのでしょうか。本来、そのようなお金の流れが不明瞭だったり書類が足りないだろうということがわかった時点で、会計事務所は経営者に連絡を取るべきです。

会計はどうあるべきか

会計とは法律で決まっていることなので全ての企業が法律に則って会計処理を行わなければなりません。やらなければならないからやりましょう、ということでもあるのですが、この会計業務をうまく行えば以下のようなメリットがあります。

  • 会社の経済状況を正確に把握できる
  • 会社の近未来の状態が明確になる
  • 不正を防げる
  • 不正を見つけられる

会計業務を行うには費用がかかります。人件費、会計事務所へのフィー、監査人へのフィー、などの費用がかかっていますが、せっかくこれらの費用をかけるのですから、同じ費用でもしっかりとした結果を出せるようにしたいですね。

経営者が会計を理解し、経営の武器にするために

「会計は決まっていることだから仕方ない」という考えを改めて、経営者が会計を理解して経営の武器にすることをお勧めします。そのためには経営者目線でレポートできる会計事務所を使うことが必要です。

通常、会計事務所は記帳業務しか行いません。記帳業務だけの場合、不正を発見することも防ぐこともほぼ不可能です。よほど単純で大きな不正、例えば、現金の持ち逃げや、在庫の持ち逃げくらいしか発見することは難しいでしょう。

会計事務所を使っていても、会計業務の9割は社内で行われています。経営者目線の会計事務所は、社内の会計業務に目を配り、どこで不正が起こりやすいかをレポートし、どのような管理が必要かを指導します。またこのような会計事務所は会計レポートでも単純に利益が出たかどうかだけでなく、社内で何が起こっているのかを説明することが出来ます。

お勧めの会計サポート

経営者の強い味方となる会計事務所に、Abroad Consulting Recrutiment (Thailand) Co., Ltd. 、通称 ACRT があります。ACRTは複雑に見えるタイの会計・税務を、わかりやく経営者へ説明します。不正が起こりやすいポイントを早急に見つけて不正が起こらないように未然に防ぎます。

会計に不安を感じている、会計事務所がきちんとしているのかわからない、そんな時は ACRT へご連絡ください。

会計業務お問い合わせ
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