日本語能力試験 JLPTについて

エコアズ・ウィークリー <2022年2月15日号>

「JLPTがコロナで延期になったんでN3のままなんです。。。(ToT)」

おはようございます、小野です。
コロナの影響で日本語能力試験(JLPT)が中止になったり会場限定開催されたり、、、
一生懸命勉強をして準備をしたにもかかわらず、試験を受けられなかったタイ人の
求職者の方々。面接する方々から、今年も昨年同様にこのような話をよく聞きます。

新卒の求職者の中には、日本留学が決定していたにもかかわらず
同じくコロナの影響でキャンセルになったという優秀な学生さんもたくさんいらっしゃいます。

今回は日本語能力試験(Japanese Language Proficiency Test、通称JLPT)の
レベルについて、【保存版】ということで改めてまとめてみたいと思います。
(新たにタイに赴任され、採用に携わる採用担当者様は必見です!)

英語レベルを測る際に、TOEICスコアが参考にされるのと同様に、
日本語の場合は(独)国際交流基金実施の日本語能力試験のランクによって、
そのレベルが測られ、海外であればどの国においても、日本語人材採用時の
基準として定着しています。

試験は通常は毎年7月と12月の年2回実施されています。
制度は2010年に改定され、現在はN1~N5まで、下記のようにレベル分けがなされています。
※後ほど改めて説明させていただきますが、誤解を招きやすいのが「N3」と「N4」です。
カッコ内の旧◯級というのは、2009年以前の旧制度の判定基準レベルです。

◆N1 (:旧1級=L1) 語彙10,000語/漢字2,000字
新聞の論説などの複雑な文章を理解することができ、自然に近いスピードのまとまりある
会話やニュースを把握することができる。

◆N2 (:旧2級=L2) 語彙6,000語/漢字1,000字
新聞や雑誌の記事を理解することができ、自然に近いスピードの会話の要旨を
把握することができる。

◆N3 (:旧2級と3級の中間として新設、英検でいうと準2級?) 語彙3,000語/漢字700字程度
新聞の見出しから情報の概要をつかむことができ、日常的な場面で会話の内容を
ほぼ理解できる。 ⇒2010年以降、新たに創設されたレベルです。

◆N4 (:旧3級=L3) 語彙1,500語/漢字300字
日常生活の中でも身近な話題の文章を理解でき、ゆっくりと話される日常会話を
ほぼ理解できる。

◆N5 (:旧4級=L4)語彙800語/漢字100字
日常生活の中でも身近な話題の文章をある程度理解でき、ゆっくりと話される日常会話を
短い会話を理解できる。

新制度のN1とN2に旧制度との大きな違いは無いのですが、
問題となるのは、旧3級(=L3)が今は「N4」となっている事です。
求職者の中には、履歴書にJLPT L3(N4)という表記をされる方が時々いらっしゃいます。

2010年に旧制度に無かった準2級に該当する「N3」というのが新設されたため、
未だに誤解・混乱を招いてしまっているようです。

ただ、我々現場の感覚として、年々タイ人の日本語スピーキング能力は全体的に低下傾向にあり、
旧3級(現N4)合格者の方が(30代半ば以降に多い)、N3合格者よりスピーキング能力が高い、
ということはよくあることです。

理屈的には、N3>N4=旧3級 なんですが、
人材によりますが旧3級(L3)>N3>N4というケースも結構あります。

旧制度の3級有資格者は何の意図も無く履歴書に「Level 3」と記載されるので、
採用側は「N3」かと勘違いしてしまいます。
書類選考の際には、資格を取得した時期を確認する必要があります。

そして前述の通りコロナの影響による試験中止のため、実際保有しているレベルより
日本語能力が高い方が結構いるので、今の時期は選考の際に注意すべき点です。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。(小野)

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