エコアズ・ウィークリー <2022年10月11日号>
「この子は手が短い可能性が。。。すぐに帝王切開しましょう。」
おはようございます、小野です。
今から約7年前の話です。
バムルンラード病院で、家内と私は担当の女性医師からこのように告げられました。
先月「マイペンライ」の本質部分に関するトピックのコラムを掲載しましたが、
今回も「マイペンライ」絡みのトピックです。
<参考>先月のコラムはこちらです。
https://bit.ly/3EpXxd4 「マイペンライ」と「なんくるないさー」
「未熟児か、、、」
「手が短いかもしれないのか・・・」
家内のお腹の中にいる37週目の胎児は、少し前から急に成長がストップし、
推定体重は1,800g。そういう状態の中での定期検診時にエコー写真を見ながらの
医師の言葉に、家内も私も動揺しました。
家内に比べれば、私の動揺のレベルなんて微々たるものだったと思いますが、、、
しかし胎児の安全のことを考えると、動揺している場合じゃありません。
最短で手術日を設定し、不安のまま出産当日を迎えました。
私にとっては人生初の出産立ち会い、しかも帝王切開。
ちなみに帝王切開でも入室立ち会いできるなんて、その日まで知りませんでした。
控室で緊張しながら待っていると、「お父さん、どうぞ!」と看護師が迎えに
来ました。もう、緊張しまくりです。そして分娩室へ、、、
ジャジャンジャ・ジャン・ジャン!ジャンジャジャ・ジャン!!
(゚д゚)!(゚д゚)!(゚д゚)!
私の心の声「な、、、なんなんだ、これは~~~!!!!!」
分娩室内には軽快でノリノリのミュージックが大きな音で流れており、
それにあわせて楽しそうに踊る執刀医と看護師の皆さん。。。
目の前の異様な光景に唖然としました。
そしてこのノリと雰囲気の中、手術は進められていきました。
どうして良いのかわからない私、
麻酔がきいてて完全に寝ている家内、
ガリガリと腹部を切開する生々しい音、
踊りながらニコニコと家内の腹部にメスを入れる女医、
「お父さんも一緒にダンスどう?」みたいな感じで、目で訴えてくる看護師。。。
私の心の声「マ、マジか~!?」
日本では100%あり得ないでしょう。
いや、むしろ私だけが浮いてて変な感じでした(汗)。
10分後ぐらいでしょうか、いやもっと短かったかもしれません。
「オギャーーーーーーーーー!!」という威勢の良い鳴き声とともに娘が誕生しました。
私と目が合った女性医師は、ニヤッと「Good!!」のジェスチャー。
手の長さも正常でした。体重が1,950gだった娘は2週間ほどNICU(新生児集中治療室)に
お世話になりましたが、今では元気すぎるぐらい健康な子に育っています。
「苦しいけど つらいけど 自分に出来る事をやって 良い状況に変えていこう がんばろう!!
自分自身がコントロールできることにフォーカスしよう! そうすれば大丈夫」
「今」「ここ」にフォーカスし、ペンライ(=大丈夫じゃない)を否定する(=マイ)。
それがマイペンライ。
「マイペンライ」に本質に関し、先月のコラムでこのように説明させていただきました。
7年前に私が経験した分娩室の光景は、私以外のみんなが「マイペンライ」なノリでした。
そういえば2011年のタイ洪水の際、2階建ての一軒家の1階部分が浸水し大変だった
タイ人スタッフは、オフィスで笑いながら家の様子を語ってました。
スタッフ「1階に魚がいっぱい入ってきて、ご飯のおかずにしようと思って捕まえたけど
逃げられちゃいました~ ハハハ!!(≧∇≦)」
小野「いやいや、家が大変な状態でしょう?笑ってるけど、ホント大丈夫?」
その問いかけに対し、タイ人スタッフは確かに「マイペンライ!」と応えてました。
家の1階が浸水して洒落にならない状況の中、会社に出てきて笑う。
この明るさ、、、
日本人なら笑うなんて不謹慎、この惨状に落ち込み悲観的になるでしょう。
私だったら会社に出勤どころじゃありません。
我々日本人とは、何か根本的な部分が決定的に違うのでしょう。
もしかしたら今の時代の日本人に必要なのは、
タイ人が持つこの「どんな時でもマイペンライ」精神なのかもしれませんね。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。(小野)
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