退職する大工の物語

エコアズ・ウィークリー <2022年11月15日号>

おはようございます、小野です。

今日はまず「ある大工」の話をさせていただきます。

その大工は、もうそろそろ家を建てる仕事をやめて、
奥さんとのんびり暮らそうと思っていました。

雇い主が個人的なお願いとして、
「最後にもう一軒だけ、家を建ててくれないか。」
と、その大工に頼みました。

大工は承諾しましたが、
「どうせもう辞めるんだし、面倒だな、、、」と、
真剣に仕事をする気にはなれませんでした。

そして彼は、消化試合のような仕事をし始めました。
材料を吟味せず、粗悪な材料を使い、手を抜きました。

その後ようやく家は完成しました。

そして点検にやってきた雇い主は、その家の鍵を大工に渡しこう言ったのです。

「今まで本当にありがとう。この家は、これまで頑張ってくれた
あなたの仕事に対しての贈り物だ。」

大工は大きなショックを受けました。
まさか自分の家だとは思ってもいなかったからです。

物語はここまでです。

私はこのショートストーリーを読んで少し考えました。

退職が決まった後に、「露骨に」仕事に対し手を抜くスタッフがいます。
中には「退職時は30日前通知」という社内及び法的なルールがあるにもかかわらず、
「次の会社に早く入社しないといけないから。」と、企業からの「同意なし」で
急に出勤してこなくなる自分勝手なスタッフもいます。上司や会社への不平不満を、
最後に社内で言いたいだけ言い放って、退職するスタッフもいます。

期間の長短はあれど、経験を積ませてくれた上に毎月給料まで貰っていた
企業に対して、これらのような行為は論外です。

皆様の中にも「引き継ぎ時に手を抜かれた。」「突然スタッフに辞められた。」という、
苦い経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。。。

仮に弊社から紹介させていただいたスタッフが、このような行為をしようとしたら、
もちろん全力で説得し阻止しようとすることもありまし、叱ることもあります。
※明らかに企業側に落ち度がある場合を除いて、です。

しかし残念ながら、一切聞く耳を持たないどころか逆上したり、
急に音信不通になってしまう方もいます。

物語の大工と変わらないことを「職場」でおこなっているのです。

「どうせ頑張ったって給料は同じだし。」
「とりあえず与えられた仕事だけやっておけばいいや。」
「ボーナスはもらって当たり前。」と、
権利ばかり主張し、義務を果たさないスタッフ。

中には「上司」や「仲間」に恵まれ、自身の行為を反省し
その後素晴らしいキャリアを歩みだす方もいます。

一方で「良き上司」「良き同僚」「良き職場関係」だったにもかかわらず、
職場を変えても同じような働き方を繰り返す残念な方もいます。
まさに「三つ子の魂百まで」という言葉の通り。

彼らは自分が作り上げたキャリア(建てた家)に、一生住みつづけ
なくてはならないことを、かなり後になって自覚しショックをうけます。

「こんなはずでは、なかったのに。」

いや、そんなはずだったんです。
立てる場所も、デザインも、材料も、間取りも、窓の位置も
すべてキャリアは自分で決める事ができるからです。

「良い上司、良い部下に恵まれ」と上述しましたが、微力ながら部下や求職者の方々の
キャリアにおいて、なんらかの「良い影響」を与えることができるよう、私自身は意識
しながら日々コミュニケーションを心がけているつもりです。

最後に、、、
この物語の大工のようなスタッフ(「人材」ならぬ「人罪」)は、日本を含めどこ国にいっても
存在しますが、もちろん稀なケースです。決して数多く存在するわけではなく、あくまで一つの例で
あるということで、今回お話をさせていただきました。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。(小野)

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