エコアズ・ウィークリー <2023年7月4日号>
「タカ、日本人の君がいるこの場で言うのは申し訳ないけど、
今や我々は日本人はEランク・ゲストとして見ています。」
おはようございます、小野です。
ヒルトンやマリオットグループ等の五ツ星ホテルグループを含め、
これまで世界中のホテル業界で経験豊富なタカさん(仮称)と、
先週お話させていただく機会がありました。
冒頭の言葉、数年前にバンコクのホテルGMミーティングに参加した際に、
某大手ホテルグループのGMにタカさんが言われたそうです。
※バンコクには高級ホテルのGMクラスが集まるミーティングがあるそうです。
日本人ゲストがEランク扱い。。。
世界の高級ホテルグループから、もはや日本人ゲストは重要視されていない。
タカさん「格安宿泊サイトから最低価格で宿泊するのは、最近は日本人ゲストが
圧倒的に多いですね。以前はそういうことはなかったんですけど。
それなのに要求が細かい。しかもスタッフがその要求に応じても、日本人ゲストは
チップをくれない方が多いんです。もともと日本人はチップをスマートに渡せない方が
多いんですけど、最近はわかってても敢えてケチってチップを渡さない方もいますからね、、、
日本人の評判は落ちる一方です。英語が話せない方も多いですし。」
私はこの話をタカさんから聞いた時、なるほどな、と思う反面、
同じ日本人としては何ともショックで悲しい気持ちになりました。。。
そういえば以前はバンコクの5つ星ホテルには、必ずといってよいほど
日本人のスタッフが在籍していましたが、最近は一部のホテルに限られています。
弊社は今年に入りバンコク都内の某5つ星ホテルから、日本人スタッフの求人を
いただいたものの、
「日本人スタッフ採用の優先順位はそこまで高くない。」
という理由で、結局最終的に凍結になりました、、、
タカさんが某国のリッツカールトンで以前勤務されていた時の、面白い(というより恥ずかしい?)
エピソードを話してくれました。
タカさん「リッツ・カールトンの従業員が1日2,000ドルの決裁権を持っているのは
有名な話ですが、それを自ら要求してきた日本人ゲストがいらっしゃいました。
その方は、
『リッツのスタッフは全員がゲストに対して予算もらってるんですよね?
何かサプライズお願いしますね!』 と、、、」
私「そんな図々しい日本人ゲストがいるんですか!?^^;」
タカさん「はい。そもそもそれってサプライズじゃなくリクエストになってますし。
1泊50万円とか100万円の部屋に宿泊されるお客様ならまだしも、一番料金設定の
低いお部屋に宿泊されているゲストからそのようなリクエストをされても正直困ります。
そもそも2,000ドルの決裁権は、そういう使い方をするものではありませんし。
同じ日本人として情けない気持ちになりました。」
私「そうですよね。決裁権はゲストに喜んでいただくために、というのは大前提
でしょうけど、それを要求されても困りますよね。」
タカさん「もはや日本国内でも日本人ゲストの評判は年々悪くなっています。
とにかく要求が細かいし、きめ細かい質の良いサービスは当たり前と考えていらっしゃる
ゲストの方がとにかく多いんです。」
私「え!日本国内でもですか。。。^^;」
「中国人のゲストはマナーが悪い、という話は過去の話で、我々からすれば彼らの方が
よほど礼儀正しくマナーが良いです。サービスに対し相応のチップも渡してくれますし、
スタッフからも年々評判が良くなってきていますよ。」
最近は海外だけでなく最近は日本国内でも、日本人ゲストの評価が下がっているそうです。
日本のサービス業では、長い間「お客様は神様」という言葉が神聖化されてきました。
その結果、自分がゲストの立場になった際に、「私=お客様=神様なんだから。
相応の扱いをしてくださね。」と、当たり前の様にスタッフに多くを要求してしまうのでしょうか。
もちろんこのような方々はマイノリティだと思いますが、確かに私自身もこれまで機内や
レストランで、「私=神様」みたいな振る舞いの日本人の方々を、日本でも海外でも
数多く見てきました。
やはり私自身は、海外はもちろん、日本国内でも
「この日本人ゲストに宿泊いただいて良かった。」
「サービスを提供して良かった。」と、スタッフの皆さんに思ってもらいたいです。
果たして自分は出来ているんだろうか・・・?
これまで諸先輩方が築き上げてくれた「日本人への好評価」を崩していかず、次世代に繋げていかないといけませんよね。今回のタカさんの話を聞いて、日本人としての
自分自身の行動・振る舞いを、改めて意識していこうと考えさせられました。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。(小野)
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