エコアズ・ウィークリー <2023年7月18日号>
Aさん「夢は日本旅行に行くことです。」
Bさん「日本に私の給料が出せる会社、ないんじゃないですか?」
おはようございます、小野です。
AさんもBさんも、タイ人の求職者の方です。
大学を卒業したばかりの初々しい新卒のAさんの夢は、日本に旅行に行くことです。
Aさん「でも日本は物価が高いですし、仕事を頑張ってお金を貯めて、
いつか日本に旅行に行けるようになりたいです!」
Bさんは40代前半、外資系企業に勤務する才色兼備のキャリアウーマンです。
Bさん「日本で働いても給料安いし、税金も高いし貰えない年金も払わないと
いけないし、、、もう日本では働こうとは思いませんね。」
同じタイ人でもここまで考え方が違うんだな、と思いたいところですが、、、
実は・・・!!
AさんもBさんも、フォンさんという同一人物なんです。
ただしAさんは2004年、当時22歳だった時のフォンさん。
Bさんは19年後の2023年、41歳の今のフォンさんです。
フォンさんには日本への就職も含めこれまで過去に就職のお手伝いをさせていただきましたが、
彼女とは年齢がわりと近いということもあり、20年来の友人みたいな関係です。
22歳で日本語3級だったフォンさんは、日系企業に営業事務として就職。
たどたどしい日本語で、給料は13,000バーツでした(当時のレートで46,000円)。
その後日本語2級を取得したフォンさんは、2008年26歳の時に人事総務兼通訳として
愛知県の某メーカーに就職。給料は240,000円、当時のレートで77,000バーツです。
2011年に東日本大震災をきかっけに29歳の時にタイへ帰国。
大学院に通ってMBAを取得し、その後も順調にキャリアアップしていったフォンさん。
現在は外資系の企業でアジア・パシフィック統括GM職として勤務しており、
給料は210,000バーツに。現在のレートで840,000円!!です。
外資系のエージェントから頻繁に転職案件の連絡が入るそうです。
「小野さん、何か良い仕事があったら紹介してくださいね~」と、今でも時々言ってくる
フォンさんですが、残念ながらもはや弊社が手伝いさせていただくレベルではなくなって
しまいました、、、汗
22歳で給料が13,000バーツ(=46,000円)だったフォンさん。
41歳で給料が210,000バーツ(=840,000円)になったフォンさん。
19年経ったら、円ベースで約18倍も給料がアップしています。
日本旅行が夢だった、でも自分には無理だと思っていた22歳のフォンさん。
日本はもう給料が安くて働けないと言っている41歳のフォンさん。
フォンさんのようなシンデレラストーリーを実現したタイ人は超稀なケースですが、約20年前と
比較した際、給料が5倍以上になっていることは、多くのタイ人の方々にとって普通です。
新卒で10,000バーツだった給料が50,000バーツに。タイが長い方ならご存知かと思いますが、
このような方はたくさんいます。※蛇足ですがこの間タイの現地採用日本人の法定
最低賃金は、60,000バーツから50,000バーツに下がりました。。。
新卒20万円だった給料が20年で100万円に。日本でもこのようなスーパー・ビジネスマンは
少なからずいますが、四六時中バリバリ働きまくっているイメージです。
一方タイでは(もちろん皆さん優秀ですが)、特に働きまくらずに定時で退社し、
有給休暇もしっかり消化する普通の方々が、昇給しまくっているイメージです。
20年前は多くのタイ人が、
「いつか日本旅行に行けたらいいな、、、」と言ってましたし、
今は日本旅行に行ったタイ人の殆どが
「日本って、メチャ安い!!」と、日本旅行に行って爆買いしています。
フォンさんの話は置いといて、
「20年で給料が5倍か、すごいな!!!」と私自身思いましたが、これは
タイ人や発展している活気ある国々の人にとっては当然、当たり前のことです。
自国の発展を信じ、肌で感じ、そして自分自身も大きくキャリアアップし稼いでいく。
彼ら、彼女たちにとっては当たり前の事に対し、「すごい!」と感じてしまう自分自身に、
危機感を抱いてしまいました。。。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。(小野)
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