国内生産回帰、ふと思ったこと

エコアズ・ウィークリー <2020年1月28日号>

自動車メーカーのマツダが、タイでおこなっていた自動車生産の一部を
日本国内に切り換える方針を固めたことが話題になっています。

「バーツ高の影響」
「日本の相対的賃金が安くなったから」
メディアではこのように取り上げてられていますが、これ以外にも様々な要因があるということは、
何よりもタイ在住のみなさんがよくご存知だと思います。

話は変わりますが、、、

先日の日本政府観光局の発表によれば、2019年に日本を訪れた外国人は3,188万人で過去最高を更新、
2018年に続き3,000万人超えました。

国別に多い順で見ると、、、
1位:中国人959万4300人(前年比14.5%増)
2位:韓国558万4600人(前年比25.9%減)
3位:台湾489万600人(同2.8%増)
4位:香港229万700人(同3.8%増)
5位:米国172万3900人(同12.9%増)
6位:タイ131万9000人(同16.5%増)

中国人は間もなく1,000万人を超える勢いです。
しかし今年の旧正月(まさに今週!!)に限って言えば新型コロナウィルスによる肺炎の感染が拡大
しており、冗談抜きで武漢及びその周辺の方々の日本への旅行は控えていただきたかったです。。
タイも然り。直行便もある影響で1月27日現在8人の感染者がタイ国内で判明しています。
中国政府は27日以降の日本やタイ含む、全ての団体旅行を禁止しましたが、旧正月前にやってほしかったです^^;
※旧正月休暇期間中の今週いっぱい、特にお子さんは中国人観光客の多いエリアは絶対に避けましょう!!

さて、先程の2019年の訪日外国人数を、東南アジア諸国でみると、、、
1位:タイ131万9000人(同16.5%増)
2位:シンガポール49万2300人(同12.6%増)
3位:マレーシア50万1700人(同7.1%増)
4位:インドネシア41万2800人(同4%増)
5位:フィリピン61万3100人(同21.7%増)
6位:ベトナム49万5100人(同14.2%増)

東南アジアにおいては、タイ人の訪日数が「圧倒的」であることが
数字を見れば一目瞭然です!!(^^)

10年前の2009年、タイ人の訪日観光客数はわずか「約20万人」でした。
それが10年後には130万人を超えました。10年で約6.5倍です。

私自身、これまで数万人の外国人と面接してきた中、
10年以上前は多くのタイ人にとって日本旅行は「夢」でした。

リーマンショック前、面接にの時にタイ人に「将来の夢は何ですか?」と訪ねると、
「日本に旅行に行くことです!」と瞳を輝かせていました。
多くのタイ人にとって日本は憧れの国でした。

そして2020年。
今やタイ人にとって日本旅行は余暇の行き先選択肢の一つとなりました。

日本へ旅行に行った弊社のタイ人スタッフの言葉、、、

スタッフ「日本って思ってた以上に、いろんなものがすごく安かったです!!!」
小野「そっか~、、、確かに日本、物価が安いかも^^;」

遡ること2000年代前半は、、、
日本語を学習しているタイ人女性、或いは日系企業で働くタイ人女性社員は、
「日本人の彼氏欲しい!!でも私には無理かな~、高望みしすぎ、あり得ない!」
こんな感じで言っている方も結構多く、タイ人女性にとって日本人男性は
少なからず憧れの的であったような気がします。

そして2020年。
「う~ん、日本人の彼氏ねぇ、、、まあアリだけど、その人によるかな・・・」
日本男子としては何とも複雑な気持ちですが、ここまで変わるんですね。。。(゜д゜)!

これがタイ人から見た日本のリアル印象の今と昔です。

「失われた30年」の間、日本人の給与はほとんど上がらず(むしろ下がった世代も)
世界の中での相対的賃金が安くなっていく中、タイを含む新興国の給与は1・5倍から2倍以上に上昇し続け、
気がつけば「日本って思ってたより安い!」「日本人の彼氏ねぇ~・・・」という状況に。。。
このままでは「失われた40年」になりかねません。

ニュースから、ふといろいろな事を考えてしまいました。
今回のマツダのニュースは、日本の製造業の国内生産回帰への序章にすぎないのでしょうか・・・?

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!(小野)

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