エコアズ・ウィークリー <2021年3月23日号>
おはようございます、小野です。
先月の話になりますが、12月に実施された「日本語能力試験」の結果が出ましたね。
「合格したので更新した履歴書を送りますね!」と、弊社にも求職者の方々から嬉しいお知らせが。
一方で面接をしていてる求職者の方の中には、
小野「どう考えてもN2レベルですよね、なんでN3なんですか?」
小野「N3レベルはあると思うのに、なんでJLPT持っていないんですか?」
求職者「コロナの影響で試験が中止になって受けられなかったんです、、、(T_T)」
と、昨年受験チャンスが無く、そして今回もどうしても都合がつかず、
無資格や自身のレベル以下の有資格者も結構いらっしゃいます。
今月偶然にも2社の採用担当者の方より、
「日本語能力試験に関し「N3」「L3」と記載が違う場合がありますが、何が違うのでしょうか?」
「この方の履歴書は「L4(N3)という表記になっていますが、どういう意味でしょうか?」」
というご質問をいただきました。
そこで今回は日本語能力試験(Japanese Language Proficiency Test、通称JLPT)の
レベルについて、改めてまとめてみたいと思います。
新たにタイに赴任され、採用に携わる採用担当者様は必見です!(たぶん、、、)
英語レベルを測る際に、TOEICスコアが参考にされるのと同様に、
日本語の場合は(独)国際交流基金実施の日本語能力試験のランクによって、そのレベルが測られ、
海外であればどの国においても、日本語人材採用時の基準として定着しています。
試験は通常は毎年7月と12月の年2回実施されています。
制度は2010年に改定され、現在はN1~N5まで、下記のようにレベル分けがなされています。
※後ほど改めて説明させていただきますが、誤解を招きやすいのが「N3」と「N4」です。
カッコ内の旧◯級というのは、2009年以前の旧制度の判定基準レベルです。
◆N1 (:旧1級=L1) 語彙10,000語/漢字2,000字
新聞の論説などの複雑な文章を理解することができ、自然に近いスピードのまとまりある
会話やニュースを把握することができる。
◆N2 (:旧2級=L2) 語彙6,000語/漢字1,000字
新聞や雑誌の記事を理解することができ、自然に近いスピードの会話の要旨を
把握することができる。
◆N3 (:旧2級と3級の中間として新設、英検でいうと準2級?) 語彙3,000語/漢字700字程度
新聞の見出しから情報の概要をつかむことができ、日常的な場面で会話の内容を
ほぼ理解できる。 ⇒2010年以降、新たに創設されたレベルです。
◆N4 (:旧3級=L3) 語彙1,500語/漢字300字
日常生活の中でも身近な話題の文章を理解でき、ゆっくりと話される日常会話を
ほぼ理解できる。
◆N5 (:旧4級=L4)語彙800語/漢字100字
日常生活の中でも身近な話題の文章をある程度理解でき、ゆっくりと話される日常会話を
短い会話を理解できる。
新制度のN1とN2に旧制度との大きな違いは無いのですが、
問題となるのは、旧3級(=L3)が今は「N4」となっている事です。
求職者の中には、履歴書にJLPT L3(N4)という表記をされる方が時々いらっしゃいます。
2010年に旧制度に無かった準2級に該当する「N3」というのが新設されたため、
未だに誤解・混乱を招いてしまっているようです。
ただ、我々現場の感覚として、年々タイ人の日本語スピーキング能力は全体的に低下傾向にあり、
旧3級(現N4)合格者の方が(30代半ば以降に多い)、N3合格者よりスピーキング能力が高い、
ということはよくあることです。
理屈的には、N3>N4=旧3級 なんですが、
人材によりますが旧3級(L3)>N3>N4というケースも結構あります。
*もちろんN3で会話能力が高い方も多数いらっしゃいます。
旧制度の3級有資格者は何の意図も無く履歴書に「Level 3」と記載されるので、
採用側は「N3」かと勘違いしてしまいます。
書類選考の際には、資格を取得した時期を確認する必要があります。
しかしまぎらわしいですね、、、
皆様も書類選考の際には、十分に注意されてください。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。(小野)
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