全力で採用活動に臨む

エコアズ・ウィークリー <2020年2月12日号>

おはようございます、小野です。

今回のタイトルの通り、自社の人材を採用する際、私自身は
常にスピードを意識しつつ心身ともに全力で臨みます。

これはある方との出会いによる影響が大きいです。

2012年、当時台湾に住んでいた私は創業間もないベンチャー企業の採用の
お手伝いをさせていただく機会がありました。

この企業のN社長は台湾に常駐されているわけではありませんが、
全社員の面接にかかわり、面接の度に必ず日本から訪台されていました。
時には日帰りで面接のためだけに・・・(゜д゜)!

小野「N社長、何でそこまでされるんですか・・・?」
N社長「だってウチみたいな知名度も全く無い零細企業、来て欲しいと思う人材に入社して
もらうためには、私自身が全力で本気度を伝えるしかないでしょう。」

応募する台湾人求職者の立場からすれば、創業社長がわざわざ日本から訪台し自ら面接を
実施すると、確かにインパクトが違います。面接時にN社長は会社の夢やビジョン、そして求職者が
入社した場合の役割や期待を、一人一人に熱心に語られます。時には食事面接を実施していました。

求職者からすれば、「自分が必要とされている」という気持ちがより強まり、仮に入社を
迷っている場合は、社長面接が強烈な後押しになることでしょう。
まさに「口説き」そのものであり、私の記憶では、N社長は100%口説きに成功されています。

それどころか不採用通知を出した求職者が諦めきれず、後日私に猛烈なプッシュをかけてきて、
最終的にN社長に熱意を買われて逆転打で採用に至ったというケースもありました。

N社長は日本-シンガポール‐タイ-ベトナム-フィリピン‐台湾‐イギリス等、中国であれば都市ごと、
というような感じで、全ての「国」を日本と同等に重要視しており、平等に情熱を注いでいました。
日本=本社という意識も全くありませんでした。とはいいつつも、世界全体をマクロ視点から見た
場合においては、地域ごとに個別に明確な戦略と戦術がありました。
N社長は徹底した現場主義で、海外出張も頻繁でした。

採用方針に関して、私がN社長に大きな影響を受けたのは言うまでもありません。
蛇足ですがN社長に真似て、私自身もある時期は食事面接を実施してみましたが、
これは私自身が効果が実感できなかったため今はやめています、、、

例えばGAFA(Google,Apple,Facebook,Amazon)のように誰もが知っている
優良グローバル企業であれば、人材はほうっておいても勝手に応募してくるかと思います。

しかし弊社のような零細企業であれば、少ない応募者の中から優秀な人材を、更に如何にして
自社に入社してもらうかという創意工夫や、人材に応じた臨機応変な採用活動が必要です。

現在のタイにおける慢性的な人手不足の状況下、そして昨今の数年のソーシャルメディアの発展により、
これだけ人々の価値観が多種多様化してきた今のご時世、応募者を「ふるいにかける」のではなく、
「選んでいただく」気持ちで臨む採用側の面接スタイルが必要だと思います。

弊社に興味を持ってくれる良い人材がいたら、スイッチを切り替え、ガチンコ総力戦
に入ります。担当のタイ人の面接後、タイ人マネージャーが面接に入り、弊社に入社すること
によって得られる経験やスキル、キャリアパス、将来の可能性、カルチャー等、
出来る限り自社PRをおこないます。当然私も面接に入り、弊社の歴史やポリシー、会社の
将来等の話をします。最低でも2回は面接を実施しますが、中にはお互い納得がいくまで
3回、4回と面接を重ねる場合もあります。

日本人の場合であれば、私(小野)自身が日本に会いに行くこともあります。
面接で本人の事を聞くのも勿論ですが、同時に自分の考えや、具体的な仕事の話をします。
話題は性格、趣味や人生論、家族の話題等、互いを知るためにかなり多岐にわたります。

過去には5回の面接をおこなったこともありました。私自身の日本出張も含め、10日で完結させました。
面接される側は「しつこい、まだやるの!?」とビックリしていたかもしれませんが、
最終的に入社に至り多くの実績を残してくれました。昨年まで在籍し、今でも弊社へ様々な
サポートをしてくれている増田です。

大内の場合は、当時住んでいたカナダからわざわざ面接のために弊社まで来たため、
「うぉ!本当にタイまで面接に来た!!」と一見おとなしそうな感じとは裏腹なスピードを持った
彼の行動力に、逆にこちらが驚かされ、他にも様々な要素があり採用に至りました。

採用活動はある意味ひとつのドラマのようなものです。

採用活動、貴社は毎回全力で臨まれていますか・・・?

タイ法人の日本人社長或いは幹部クラスの方々が、全力で面接に臨み、応募者に「選んでいただく」
面接をおこなうことは、貴社に優秀な人材を採用するための、重要な手段の1つであると思います。

日々多忙なリーダーは、社員に対し「個別にひとりひとり」ビジョン等を語る機会は実は入社後は
殆ど無く、そういう意味においても採用面接は「個別に対し語る」ことのできる数少ない場でも
あります。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!(小野)

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