<2021年9月7日号>
おはようございます、小野です。
今日はまず、あるタイ人2名の下記の数字をご覧ください。
Aさん Bさん
2011年 16,000 27,000
2016年 27,000 41,000
2019年 40,000 66,000
2021年 45,000 18,000
この数字は何の数字でしょう・・・?
そうです、AさんBさんそれぞれの給料の変遷になります(単位:タイバーツ)。
ちなみにAさんBさんは同じ年齢で、同じ日本語N2人材になります。
AさんBさんとも弊社の登録者で、今回たまたま同じ時期に話す機会があったので、
二人の給与について改めて確認したところ、上記のような数字となりました。
同じ日本語人材なのに何故ここまで給料が違うんでしょう・・・?
しかもBさんは現在18,000バーツと大幅にダウン、、、
この数字を見て私自身は「やっぱり言わんこっちゃない。。。」と思いました。
二人の経歴を追ってみたいと思います。
2011年(新卒)
Aさん バンコク日系企業にAdmin. Staffとして入社(当時N3)
Bさん 郊外日系企業に通訳として入社(在学中にN2取得)
2016年
Aさん 同会社にて社長アシスタントに抜擢(前年にN2合格)
Bさん 郊外日系企業に通訳として勤務中(既に3社目)
2019年
Aさん バンコク日系業に秘書として勤務(2社目)
Bさん 郊外日系企業に通訳として勤務中(5社目)
2021年
Aさん 社長からの任命で営業課長に(2社目)
Bさん コロナの影響で失職、フリーランス(無職)
以上です。
Aさんは周囲への気配りや持ち前の明るさが社長から評価され、2020年に営業課長に。
よく営業職への転身を受け入れたな~、と私自身は思いました。しかしAさんは
「将来組織の幹部になるためには営業を経験することは絶対にプラスになると思いました。」
と、非常に前向きでした。
ちなみにAさんは現在はN1を勉強中です。
一方でBさん。
日本語通訳者として転職のたびに順調?に給料があがっていきました。
しかし2020年のコロナショックにより状況が一変。
勤務先がタイから撤退し職を失った後、思うように転職先が見つからず
そのままフリーランス通訳者となり、収入が不安定な状態です。
残念ながらBさんのような日本語人材がマーケットに溢れています。
コロナの影響で、「日本人駐在員の帰任」「日本からの出張者の激減」等による
理由から、日本語通訳のニーズが壊滅的状況に陥ったためです。
「在タイ日系企業数のピーク超え」「日本語人材需要の減少」等、いくつの要因が
予測できますが、残念ながら将来も通訳人材のニーズはコロナ前に戻ることは無いでしょう。
私は通訳希望の日本語人材と話をする際に、
「ずっと通訳ではスキルが身につかず将来絶対に困るので、必ず他の経験も積んでくださいね」と、
可能な限り発信し、アドバイスするようにしてきました。これはタイに限ったことではないのですが、今まで
多くの通訳「のみ」人材の、決して良しと言えないキャリアの末路を見てきているからです。
この問題に対し、我々日系企業が何か出来ること、すべきことはあるのでしょうか・・・?
今回は少し長くなりそうなので、続きは次週にお届けいたします。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。(小野)
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