ボタンの掛け違い

エコアズ・ウィークリー <2023年6月27日号>

おはようございます、小野です。

以下は先日の弊社タイ人スタッフJと、A社のタイ人採用担当者
C様とのやりとりです。

C様「昨日紹介いただいた中村さん(仮称)、すごく良さそうですね。
あと2~3名ほど候補者が揃った時点で、まずはタイ人HRチームによる
1次面接を実施したいと思います。」

J「あと2~3名ですか・・・?日本人人材ですし、特にこのポジションの人材は
そう簡単に見つかりませんよ ^^;」

C様「最低3名は比較したいって、日本人上司から言われてますので、、、」

J「そんなこと言ってたら、中村さんは他社に決まっちゃいますよ。。。」

求人をいただいたA社様は従業員200名以上のバンコクの某大手日系企業。
募集ポジションは日本人営業。
年齢は28歳~35歳ぐらいまで、新規開拓含む法人営業経験が5年以上ある方。
英語ビジネスレベル、タイ語も出来るほうが望ましい。
更に細かい条件が、、、

このような優秀なスペックの人材は、言うまでもなく引く手あまたです。
弊社のJが言う通り、他の人材を待っている間に、中村さんは他社に決定してしまうでしょう。

更に言えば、2人目の日本人人材を紹介した後に、更に比較人材を待っていると
3人目の人材が紹介された時には、既に2人目の人材は決まってしまっているでしょう。
それぐらい難しいポジションです。そして4人目を待っている間に3人目は、、、
採用プロセスにおける「ボタンの掛け違い」状態です。

タイ人の新卒N3コーディネーター人材であれば、このような採用プロセスでも
全く問題ないですが、今回の日本人募集の場合は、次の人材を待てば待つほど
完全な機会ロスで、いつまでたっても採用はできないでしょう。

A社様のような大手企業は、採用の役割分担が明確化されており、日本人は採用に
完全にノータッチなので(仕方ないことなのですが)、残念ながら肝心な日本人の方が
タイの人材マーケットを理解されていない状況です。

日本人が現地の人材マーケットにほぼ理解がない(或いは関心が無い)場合、
これは企業にとって大きな損失になりかねません。事情の説明のため、日本人同士での
コンタクトをお願いしたものの、残念ながら取り下げられました。

その後1週間経過し、弊社含めA社が声がけしたエージェントから紹介があったのは
中村さん1名のみ(←条件にマッチしているという意味です)。当然この間、中村さんは
他社の選考も進み、面接も入り始めていました。

ついにタイ人HRのC様が日本人上司を猛プッシュしてくださり、最終的に無事に
1次面接に繋げてくださいました。このC様は理解あり且つご自身の職務に対して
熱心な方なので良かったのですが、企業によってはタイ人HRの方が非常に
ノンビリしており全然進まない場合も、、、

日本に比べ、人材の流動性がかなり高いタイ。
従業員規模が少なくなればなるほど、1名が退職した際のロスは致命的で、
読者の皆さんの多くは、採用プロセスにおける「ボタンの掛け違い」が命取りだということを、
身をもって経験され、十分に理解されていると思います。

採用時に複数面接し、人材を比較することは私も賛成ですが、それは人材が比較的
集まりやすいポジションに限ってだと思います。

採用プロセス権限については、タイ人スタッフにどんどん移譲すべきだとも思いますが、
丸投げはNGで、やはり部下と適度にコミュニケーションをとりながら、場合によっては
適時すり合わせをおこないながら進めていくほうが良いと思います。

にもかかわらず、本来描いていた採用と方向性が、いつの間にかズレていて、
「あれ?こんなはずじゃ、、、」ということも、やはり時おり発生します。

採用における「ボタンの掛け違い」が生じた際や行き詰まった際には、エージェントに
相談し、アドバイスを求めるというのも一つの方法だと思います。

メールでも電話でもLINEでも、弊社はいつもでウェルカムです。
一緒に軌道修正させていただきながら、採用活動を進めさせていただければと思います。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。(小野)

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