腰掛け就職

エコアズ・ウィークリー <2022年1月11日号>

おはようございます、小野です。

2022年に入り、人材が少なからず動き出すだろうと我々は予測(&期待)を
していたのですが、タイでもオミクロン株が急激に猛威を振るう中、タイ人は転職活動に
依然慎重になっています。ただ皆様もご存知の通りオミクロン株はかなり弱毒性のようで、
「そこまで神経質になる必要はないのでは・・・?」という意見も数多くありますが、
(特に)外国人である我々は政府の方針に従うしかなさそうです。

ただ全体的に求職者が転職に関し慎重な中で、もちろん動いている求職者もいます。

例えば昨年末に面接をした社会人経験1年のAさん。
Aさん「ローンや借金が大変で、もっと給料アップしたいので仕事を変わりたいです!」
小野「ちなみに希望給料はいくらですか・・・?」
Aさん「最低でもTHB29,000欲しいです!」
小野「(゚д゚)!」

社会人経験1年のAさんの現在の給料はTHB20,000です。。。

続いて先週面接した自身でビジネスを営んでいたBさん。
Bさん「4年前からペットホテルを経営してましたが、コロナで業績が悪化。
会社を閉鎖したので収入が途絶えました。なのでまた日系企業に戻りたいです!」
小野「ちなみに希望給料はどれぐらいですか・・・?」
Bさん「起業前の日系企業でTHB70,000だったので、THB65,000はいただきたいです。」
※会社経営時代のBさんの最高月収はTHB200,000以上です。

最後は同じく先週面接した、卒業して以来20年以上フリーランスの通訳として
生計を立てていたCさん。
Cさん「コロナで収入が激減しました。今は毎月THB20,000前後しか収入がなく
  生活が厳しいので、落ち着くまで正社員職につきたいんです。」
小野「ところで希望給料はいくらですか・・・?
  参考までにコロナ前の収入、良い時ははいくらだったのかも教えてください。」
Cさん「良いときはTHB150,000ぐらいでした。でも今は状況が厳しいのわかっているので、
  半分のTHB75,000ぐらいでも大丈夫です。」
小野「いや、それでも厳しいと思いますよ、、^^;」

いかがでしょうか・・・?
直近の3人の事例を挙げましたが、決して珍しい事例ではありません。
2021年の後半あたりから、3人のようなコロナ禍で経済的に厳しくなり
焦って就職活動をしている人材が、程度の差はあれかなり増えてきています。

Aさんの希望THB29,000の根拠は、
「周りに同じぐらい貰っている人がいる。」
「これぐらい貰えないと生活にゆとりが持てない。」等、
おなじみのパターンなのですが、、、
Aさんは家庭の事情でローンを組んだり借金をされたそうですが、
現行THB20,000からいきなりTHB29,000の給料は無理がありすぎます。

Bさんに関して。
Bさんは自分で起業し富裕層をターゲットに調子が良かった時には、月間の収入は
20万バーツ以上の時もあった方。これぐらい良い思いをした方が果たして一般企業に
戻って長く続くのだろうか・・・?クエスチョンマークです。

Cさんについて。
一度も正社員の経験が無い方が、いきなり正社員職として企業に適応できるのか
甚だ疑問です。腰掛けで就職したとしても、おそらくしばらくして市場のニーズが戻って
きた時に、退職してまたフリーランスに戻るでしょう。彼女に関しては
「落ち着くまで正社員職につきたい」と断言しています。

3人の例は少しわかりやすいかもしれませんが、程度の差はあれ「腰掛け就職」を
狙っている人材が以前に比べると相当増えています。

「腰掛け人材」に関し、我々エージェントは見極めを慎重におこない、
明らかな「腰掛け人材」に対しては、仕事の紹介は難しいというジャッジを下すこともあります。

もちろん全てがこういう人材ではありません。

むしろ真剣に正社員職を考えている人材の方が大半ですが、
中には経歴や給与を書き換え、直接企業に応募してくる人材もいます。

貴社が自社で直接採用活動をおこなっている場合、今の時期は「腰掛け就職」人材の
見極めに、より慎重になった方が良いと思います。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。(小野)

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