あれ?この人材の履歴書先週も、、、

エコアズ・ウィークリー <2023年3月14日号>

「あれ?この人材の履歴書、先週も他社から紹介されたような、、、」
「あ、この人材は昨日A社から紹介された人だ・・・」

おはようございます、小野です。

既に人材紹介会社Aから送られてきたBさんの履歴書が、
後日別の人材紹介会社のC社から送られてくる。
ひどい時は3社から同じ人材の履歴書が、、、
採用窓口として、このようなご経験を一度はされたことがある方は、
タイにおいては多いかもしれません。

これは皆様に必要のない余計な時間と労力を割いていただくことになり、
人材紹介業に携わる者としては、招いてはならないことでもあります。

にもかかわらず、同じ人材の履歴書が違う人材紹介会社から送られてくる。これには
大きく2つの原因がありますので、今回はそれについてお話させていただきたいと思います。

1.<人材側の問題>応募した人材が覚えていない 
特に若手の営業人材等の人手不足のポジションは、本人が積極的に動かなくても登録した
エージェントから(或いは未登録でも)頻繁に連絡があり、仕事の紹介がガンガンあります。

中にはリスト化して記録しているマメな方もいますが、ほとんどの方が求人概要をチェックし
興味があれば、応募の意思を伝え、エージェントから企業側に履歴書が送られます。

紹介された企業が、5、10、15と増えていくにつれ、応募した本人は
「前に応募したようなしてないような、でもとりあえず応募してみようかな」と、
取りこぼしたくないという気持ちから、別の人材紹介会社経由で「応募」という選択をします。

このケースは若手営業人材に多いという話をしましたが、経理人材や日本語通訳等、
直接自分が商品を扱わない、顧客にサービスを提供しない職種にも多く見受けられます。
(彼女/彼らにとって、業種はあまり重要ではない。)

2.<人材紹介会社側の問題>求職者に会社名を伝えない 
次にエージェントが求職者に仕事を紹介する際、会社名を伝えないケース。

例えばこんな感じです。
「BTSサラデーン駅から徒歩でいける日系商社で、電子部品の営業職の募集があります。
給与条件、勤務時間はこんな感じで、、、」

そして面接が入った際に初めて企業名が開示されます。

或いは本人の許可なく人材の履歴書をまず企業に送ったり、
氏名を伏せコード管理化された履歴書を送ったり、、、

これでは応募した人材としては管理・記憶のしようがありません^^;

この話を聞いて、驚かれる方も多いかもしれません。
タイローカル系はこのような手法をとっているところが結構ありますし、一部日系エージェントや、
会社が管理しているつもりでも担当者ベースでやってしまっていたり。。。

「企業名を伏せて紹介」というやり方は、約15年~20年ほど前の日系含むアジア広域の
人材紹介会社の手法でしたが、いまだにこの手法を続けているエージェントも残っています。
これはその国の法律をベースとしたエージェントのポリシーによりますので、
「業界全体で高い意識をもって取り組もう!」と言っても、足並みはなかなか揃いません。

このエージェントが日本やシンガポール、台湾なので同じやり方をしてしまうと
当然ですが今の時代では完全にアウト、法的処罰の対象となります。

同じ人材の履歴書が、違う人材紹介会社から送られてくる。
弊社でも人材に仕事を紹介する際に十分に注意・確認をしているにもかかわらず、
お恥ずかしい話ですが先の1、2の原因により時々起こってしまいます。

他には、人材が「あわよくば」という思いから、一度人材紹介会社A経由で書類選考落ちした
企業C社に、再度人材紹介会社B経由で応募したり、、、(B社にはA社経由で応募したことを
伝えない)というものもあります。ただ極稀に、A社の担当者が履歴書をC社に送るのを完全に
忘れてしまっていたという、人材紹介会社側のミスもあったりします(汗)

タイに関しては求職者も含め「個人情報保護」に関する意識が低く、
「マイペンライ」的な考え方が、良くも悪くも浸透しています。
ようやくタイ版個人情報保護法が施行されましたが、個人意識ベースで
浸透するまでには5年~10年以上(いや、もっと・・・?)はかかるような気がします。

本件に関し改めて私自身が整理すると同時に、背景を皆様にお伝えしたかったので
今回はこのような業界のウラ話的な内容とさせていただきました。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。(小野)

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