エコアズ・ウィークリー <2021年6月22日号>
おはようございます、小野です。
今週はタイ人の退職理由【後編】ということで、先週に引き続きお話させていただきます。
先週は下記についてお話させていただきました。
1.仕事内容が違う
2.会社が遠い
3.上司/先輩とあわない
4.日本語を全く使わない
▼今週は残りの5と6についてお話させていただきたいと思います。
5.引き継ぎ期間中に会社のネガティブな話ばかり聞く
6.もっと高い給料が欲しい(或いは昇給が無い)
7.同僚がいなく寂しい(←思いついたので追加しました)
6.もっと高い給料が欲しい(或いは昇給が無い)何となく6から、、、^^;
⇒これは最も典型的な退職理由かもしれませんね。
転職=給与があがる=だから転職したい、というのは日本人の感覚からすればあまりシックリ
きませんが、タイ人にとっては当然の話。いやタイ人というより世界的にみて
「給与の主張をあまりしない日本人の感覚」の方がシックリこないのかもしれません。。。
ただコロナ禍の現在、再就職が難しい上に給料も殆どあがらない(場合によっては下がる)
ので、この時期よほどのことが無い限り簡単に仕事を辞める方はいません。
5.引き継ぎ期間中に会社のネガティブな話ばかり聞く
⇒先週の冒頭のA社のケースです。
(※以下、A社の採用担当者様よりコラム掲載の承諾を得ております。)
奇遇にもA社を引き継ぎ開始2日で退職した人材(Oさんとします)が、直後に弊社に登録してきました。
(こういうことは我々の業界によくあることです)
退職予定のZさんから引き継ぎの2日間、A社に関するとにかく様々なネガティブな話ばかり聞かせれ
不安感と不信感を持ったというのが、Oさんの超スピード退職理由でした。
Oさんに聞いた話、そしてA社の採用担当者及び社員の方の見解(⇒)をまとめると、、、
・残業が異常に多いうえに残業代の支給がない
⇒実際には月末に2~3日、1時間~2時間程度発生するだけ。もちろん残業代支給(承認制)。
・人間関係が最悪(実際に2日間Zさんは他の社員と殆ど会話がなかった)
⇒Zさんは自ら次第に社員と距離を置き孤立、最後は必要最低限の会話しかしなかった。
・給与未払いが発生
⇒2ヶ月前に会計スタッフが計算ミス、ミス判明後に即謝罪し不足分をZさんに振り込み解決済み。
・業績悪化でタイオフィスは間もなくクローズ
⇒売上は前年比35%減でボーナス支給はなかったが、タイオフィスをクローズする予定は全く無い。
等々、、、
引き継ぎの2日間、退職予定のZさんにこういう話ばかりされると、期待と希望を持って入社した
Oさんは精神的に辛かったと思いますし、A社に不信感を持つのはやむを得ないかもしれません。
新入社員に対し会社のネガティブな話(しかも事実と異なる)ばかりする退職予定のZさんは、
ルール違反だと私自身は個人的に思いました。
A社によれば、Zさんは性格的にかなりネガティブ思考の持ち主で感情の起伏も激しい方で
突然オフィスで感情を爆発させるような事も時々あり、周囲のスタッフもかなり手を焼いていたようです。
Zさんの事例は極端ですが、「後任人材が採用できて引き継ぎに間に合ったから一安心」というのは、
くれぐれも油断禁物です。退職予定者が後任人材に対し、本人の「思い込み」によるネガティブな
引き継ぎを少なからずおこなうケースは、どの企業にもあり得ることだからです。
今回A社に落ち度があるとすれば、初日と2日目に新入社員のOさんに対し、誰も一切フォローを
しなかったことです。仮にOさんをフォローしていれば、Oさんの何らかの異変に気づいて
Oさんの早期退職を防ぐことができたような気がします。
(Oさんに対する面談時の弊社の印象は良いものでした)
7.同僚がいなくて寂しい(追加)
⇒追加で思い浮かびました。これは駐在員オフィスのような「社員が自分だけ」というケースです。
社員が1人だけというのは入社前にもちろん本人も承諾の上ですが、仕事に慣れ時間が経つにつれ
「思った以上に寂しい」「同僚がいるオフィスに憧れる」という考え方に徐々に変わるようです、、、
上司が意識してコミュニケーションをとってあげるか、近所のオフィスのスタッフと仲良くなって
もらい、少しでも孤独感を解消する方向に持っていくことで、一定の対策は可能かと思います。
タイ人7つの退職理由、いかがでしたでしょうか。
今はコロナ禍で就職難のため、退職を我慢し様子を伺っている人材が平時に比べ随分多いなと、
日々面接をしながら感じています。コロナ後の貴社の人材定着率をより盤石なものにするためにも、
今回の7つの退職理由を一つの参考材料にしていただけましたら幸いです。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。(小野)
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