在タイ人材紹介会社、3つの保証システム

エコアズ・ウィークリー <2022年6月28日号>

おはようございます、小野です。

先日新たにタイに赴任され、これまで人材紹介会社サービスを日本でも利用された
ことが無い方と、人材採用に関するお話させていただく機会がありました。

その際に、費用面や保証に関するお話もさせていただきました。
今回は、改めて表題の件について、その背景も含めお話させていただきたいと思います。

人材紹介会社経由で人材を採用した後、採用した人材が何らかの形で
残念ながら早期退職となってしまった場合、各エージェントから保証を受けることができ、
その内容は大きく3つに分けることができます。

1.再紹介或いは返金
2.返金のみ
3.再紹介のみ

タイの人材紹介会社において、以前は最も多かった保証システムが
1.の「再紹介或いは返金型」でした。退職者が出た場合は無料で人材の再紹介を、
或いは紹介料の50%を返金という保証を受けることができます。
返金額はエージェントによって異なることがありますが、50%というのが一般的です。

2.の返金のみ、以前はマイナーな保証システムだったのですが、最近はこちらが主流になり
つつあります。ちなみに弊社もタイの人材マーケットの時代の流れを理由に、随分以前ですが
1「再紹介或いは返金」⇒2「返金のみ型」へと切り替えをおこなった経緯があります。

3.の再紹介型は一部タイローカル系エージェントが採用しているものの、
日系ではほとんど聞いたことがありません(おそらく無いと思います)。

2.の返金のみの保証システムを採用している弊社は、万が一早期退職者が出てしまった
場合、在職期間に応じて下記のように直ちに返金させていただいております。

30日以内    100%返金
31日~60日以内  50%返金
61日~120日以内 20%返金

新規にお取引をさせていただく際、「貴社は何故再紹介システムが無いのですか?」
というご質問をいただくことがあります。既に説明させていただいている企業様も多いの
ですが、 タイの人材マーケットの現状を踏まえた上で、今回改めてお話させていただきます。

仮に社員が退職してしまった場合、貴社に以下の機会ロスとリスクが想定されます。
-残された従業員の負担増加
-残された社員から、人事部・採用担当者或いは日本人上司への不満・不信感
 ⇒これは、「なんで早く後任を探してくれないの?」という思いからくるものです。
-人材紹介会社から再紹介を待っている間の時間ロス
-人材紹介会社からの再紹介が必ず成功するという保証が無いリスク
-採用者の精神的負担(上司・部下・本社・関連部署からのプレッシャー等)
-その他諸々の機会ロス

このように目に見えず数値化しにくい機会ロスとリスクが「足し算的」じゃなく
時に「掛け算的」に複数存在し、時間の経過とともに増加する貴社のダメージは
計り知れません。本業ではない部分にもかかわらず、です。

仮に退職後1ヶ月、2ヶ月経ってもエージェントから再紹介が無い場合、
そこから返金手続きした上に、新たにゼロから別ルートで人材を探す必要があります。

更に何となくその人材紹介会社との関係が気まずくなってしまった上に音信不通になり、
最終的に返金すら受けることが出来なかった、、、このようなケースもあるようです。
新しい人材紹介会社の担当者との信頼関係づくりも決して簡単なものではありません。

10年以上前であれば、仮に保証期間内に早期退職者が出た場合、
人材紹介会社、そして勿論ポジションによりますが、
1ヶ月以内に40%前後の確率で再紹介が可能でした(それでも40%です^^;)。

しかし昨今のタイの慢性的な人材不足に加え、タイが2006年より既に高齢化社会に
入っていること、人口ボーナス期が終了していること、そして既に労働力人口の減少が
スタートしていること、バンコクの出生率がアジア・ワースト2であること、あと数年で人口減
が始まること等、、、今後人手不足は益々深刻になっていくのは目に見えています。

そこで上記のような現状を踏まえ、弊社としては本当に不本意な限りですが、
万が一退職者が出てしまった場合は、既に頂戴しております紹介料を、
より迅速なかたちで退職者の補填に活用していただきたいという思いから、
直ちに返金させていただく「返金型システム」を採用させていただいております。

「より迅速なかたちで退職者の補填に活用」というのは、具体的に、
1.求人媒体の使用
2.別人材紹介会社の利用 等 です。

以上、簡単に説明させていただきましたが、上述の理由から弊社は
直ちに返金させていただくという「返金のみ」保証システムを採用しています。

同業者の方と保証システムの採用背景についてお話する機会はないですが、
「2.返金のみ」のエージェントは、おそらく皆さん同じ考えで導入されていると思います。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。(小野)

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