2022年のタイ人日本語人材マーケットの動向

エコアズ・ウィークリー <2021年12月21日号>

おはようございます、小野です。

先週の「2022年の現地採用日本人マーケットの動向」に引き続き、
今週は来年のタイ人日本語人材マーケットにフォーカスしお話させていただきたいと思います。

パーソネルコンサルタント社さんが実施した、在タイ日系企業向け約900社の
アンケート調査結果によれば、在タイ日系企業の製造業のうち約70%、
非製造業のうち約60%が、「タイ人日本語人材が在籍している」と回答しています。

その日本語人材のマーケットですが、今年は1ヶ月に15社前後、
或いはそれ以上のペースで日系企業が撤退しているとも言われている中、
「日系企業のタイ撤退」「出張者の激減」等の理由により、
需要は史上最低となっています。

今回は日本語人材を「通訳人材」「その他の人材」のカテゴリーにわけて
現状をお話させていただきます。

「通訳人材」の現状
30代以上の通訳「のみ」人材(キャリアの殆どが通訳翻訳のみ)は、一旦失業すると
給与を下げても就職先が見つからず、1年以上失業している人材が溢れています。
コロナ禍で失職し大変な目にあっている多くの先輩通訳のこのような現実を
目の辺りにした20代通訳人材は、現在他職種への転身を探っています。
一方で勤務先の業績が悪化し、減給されたり賞与大幅減となった勤務中の通訳人材は、
就職活動を水面下で進めるも再就職先がなかなか見つかりません。

「その他の日本語人材」の現状
総務・人事・営業事務、或いは営業・エンジニア等で日本語が可能な人材。
勤務先の整理解雇やタイ事業撤退により職を失った40代以上の管理系人材は、
給与を下げても再就職先が見つからない厳しい状況です。
状況をある程度理解している若手事務系人材は、敢えて今の時期に転職活動を
おこないません。仮に活動しても厳しい現実を目の辺りにし、活動停止する方が大半です。

このような感じで、先週の現地採用日本人の供給不足とは真逆で、
完全な需要不足がタイ人日本語人材マーケットの中で起こっています。

空前の日本語人材の需要不足の中、「日本語」のみを重視し、
・日本語レベルがある程度高い
・性格が良い(人物的に高評価)
・あとは自社で教育、トレーニングすれば良い
このようなスタンスで採用をおこなっていく企業にとっては大きなチャンスの時期となっています。
実際に優秀な若手(或いは新卒)人材を採用されている企業もあります。

一方で40代以上の管理職人材も供給過剰ぎみなので、
現地採用日本人材の採用が思うように進まない企業は、管理職経験豊富な
タイ人日本語人材の採用の検討も選択肢の一つになり得ると思います。

最後に営業人材。
いわゆる「モノを売れる」営業人材は、日本語有無に限らず、景気の波に左右されることなく
相変わらず慢性的な供給不足となっています。これはタイに限らずですが、、、
そりゃそうですよね、、、不景気だからこそ「モノを売れる優秀な営業人材」がいれば、
どの企業も採用したいはずです。

以上です。

タイ人日本語人材に限って言えば この2021年12月現在では中長期失業している
方も多く、他方で慎重になりながらも「何かチャンスがあれば」と、とりあえず転職活動を
進めている人材が、かつてない勢いで動いています。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。(小野)

コメント

タイトルとURLをコピーしました