事実と思い込み

エコアズ・ウィークリー <2021年5月18日号>

おはようございます、小野です。

本日はリーダーである皆様に、部下のマネージメントに関する
ある質問をさせていただきたいと思います。

今からお話させていただく内容は、
私自身の過去の実体験(というより失敗談^^;)に基づくものです。

外国人マネージメントに日々奮闘されている皆様が、
ふと立ち止まって少しでも考えていただくきっかけになれば幸いです。

質問
『事実と思い込みを分けていますか?』

皆様は部下から報告を受ける際に、特に意識していることはあるでしょうか。

全体を俯瞰して判断することは、リーダーの能力として大切な要素ですが、
物事を俯瞰して見る際に大切なことは、事実と思い込みを分けて考えることです。

私は部下から過去に以下のような報告を受けたことがあります。

部下「小野さん、昨日のD社のSマネージャーへのプレゼンの件です!
すいません、私が緊張してミスをしてしまい場の雰囲気が相当悪くなってしまいました。。。
もうあのD社は取引とはできません。本当に本当に申し訳ありません!」

小野「えーーー!?そりゃマズイ!!一体なぜそんな事になったの?
D社にはすぐお詫びのフォローをしなきゃイカン!」
(うわ~、やってくれたな~、、、最悪だーーーーー)←心の中

物事を俯瞰できていなかった私(上司)は、慌てふためき、
この時は部下を厳しく追求してしまいました。

蛇足ですが後にD社のSマネージャーと直接お話をさせていただき判ったことですが、
部下のミスは(詳しくお話することは出来ませんが)本当に些細なものでした。
Sマネージャーは一瞬とまどい困惑したものの、決して不快な思いをされたわけではなく
結果的に取引も無事に開始させていただくことができました。

しかし俯瞰できる上司であれば、事実と思い込みを分けて判断しようとします。

今回の事実は、部下がプレゼンしたこと「のみ」です。

「緊張してミスした」
「場の雰囲気が悪くなった」
「D社はもう取引をしてくれない」
これらは全て部下の思い込みによる判断を、上司である私に伝えているにすぎません。

・ミスとは具体的にどういうミスか?
・場の雰囲気が悪いとは具体的にはどういう状況だったのか?
・D社と取引ができないと判断する具体的な根拠は?

上司が一旦冷静になり、こうしたことを部下に問うと、さらに事実と思い込みに分かれていきます。
思い込みの部分を、さらに事実と思い込みに細分化すると、全体像が俯瞰して見えるようになります。

当然ですが、決して高圧的な態度になってはいけません。
ニコニコ笑顔で聞くぐらいの姿勢が丁度良いかもしれません。

その際に上司が焦らず一旦深呼吸し、冷静になることが大事です。
部下からの突然の相談は、決して良いものばかりではありません。
いや、むしろ悪い相談の方が多いかもしれません。

ただし毎回上記のような感じで丁寧に質問をしていると時間効率が非常に悪くなるので、
日頃から事実と思い込みを分けて報告できるチームにしておきたいですね。

我々はただでさえ部下との日頃のコミュニケーションが第2言語同士、或いは片方のみが
母国語である環境にいます。コロナ禍で職場環境が目まぐるしく変わっていく今だからこそ、
部下の話を落ち着いて冷静に「聞く力」は、今後リーダーにとってより重要なスキルに
なっていくことでしょう。

まして部下が「日本語」で報告してくれるというありがたい環境にいる場合は、リーダー自らが
部下に歩み寄る気持ちを持つぐらいが丁度良いのかもしれませんね。

何よりもまず上司である自分自身が、
日頃から事実と思い込みを分けて考えているか自省してみても良いかもしれません。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。(小野)

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