タイ人スタッフ窓口だど採用できない!?<後編>

エコアズ・ウィークリー <2022年4月26日号>

おはようございます、小野です。

先週は、「タイ人スタッフ経由で、求人を人材紹介会社にお願いしているんだけども、
なかなか良い人材の紹介が来ない」という、A社の事例をお話させていただきました。

基本的にタイ人スタッフに採用窓口を任せる場合の募集要項は、
・ポジション
・年齢/性別
・募集背景(増員/退職補填/なぜ?)
・仕事内容(とにかくより細かく)
・募集セクションの組織(上司や同僚)
・当該ポジションに関して現在抱えている問題点
・性格的な部分等々、、、

挙げればキリがありませんが、窓口のタイ人スタッフは、
出来る限り細かいニュアンスまで把握・理解しているに越したことはありません。

入社して社員の採用実績が十分あり、信頼できるスタッフであれば別ですが、
そもそも母国語同士での会話でない時点で、こちらが伝わっているだろうと考えていても、
意外と伝わっていないものです。80伝わっていれば上出来かもしれませんが、やはり
採用においてはお互いのイメージが100に限りなく近いに越したことはありません。

部下の成長や会社の将来のためにも、タイ人スタッフにできる事は徐々に権限移譲し
いつまでも日本人上司が介入したり、かかわるべきではありませんが、
当然ですがこの権限委譲プロセスは一筋縄にはいきません。

▼採用におけるタイ人部下への権限移譲プロセスの初期は、例えばこんな感じです。
・まずは日本人上司が採用背景・条件等を可能な限り細かく「文書」で落とし込む。
・更にニュアンス的な部分を「口頭」でしっかり伝える。
・応募者「全員」の履歴書に目を通し対し、双方の感覚の擦り合せをおこなう。
・実際の面接で自分のイメージと採用担当スタッフの感覚の擦り合せをおこなう。 
等々、、、

従業員規模が100名であろうが10名であろうが、窓口のタイ人の採用キーパーソンが
日本人上司(或いはタイ人上司)としっかりコミュニケーションがとれているか否かで、
貴社が優秀な人材を採用できるかという結果に、雲泥の差が出てきます。
今回のA社ようにタイ人スタッフに単なる「御用聞き」のような役割しか与えないと、
担当者本人は仕事にやりがいを感じることができませんし、採用の重要性も
理解できないでしょう。

下記についてあらためて検証してみてください。

貴社採用担当タイ人スタッフは、
・求人の背景や意図を細かい部分まで理解していますか?
・仕事内容や条件の詳細を理解していますか?
・責任と使命感を持って採用活動に取り組んでいますか?
・理解が100%でない場合、上司に遠慮して質問することをためらっていませんか?

日本人採用責任者(上司)は、
・「タイ人部下はわかっているだろう、理解しているだろう」と上司側の思い込みがありませんか?
・タイ人スタッフは単なる「御用聞き」になっていませんか?
・採用活動における部下とのコミュニケーションを採点するとすれば、100のうち何点ですか?
・そもそも退職者の補充採用業務が「ルーティーン」のようになっていませんか?

日本国内では、「日本人同士」「言葉に落とし込めば100%理解できる」ということで、
ここまでやる必要は無いのかもしれませんが、海外で採用活動する際には、
より良い人材を採用するためには、細かい部分まで相当気を配る必要があります。

タイ人スタッフに権限移譲中の企業の中には、
「そういう(権限委譲の)段階なので、何か不明点等あれば必ず私に直接連絡ください」と、
敢えて日本人採用責任者の方より、フォローの連絡をいただくこともありますが、
企業の成長の段階で必要なプロセスだと思いますし、このように日本人上司がタイ人部下を
「陰ながらサポートしている」企業は、
実際に採用がうまくいっているケースが多いのも事実です。

今回は、実は意外と見落としがちな貴社の「採用力」を上げていくための重要なポイント
をお話させていただきました。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。(小野)

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