エコアズ・ウィークリー <2022年5月24日号>
おはようございます、小野です。
「タイ人スタッフに主体性を持ってほしい。」
「もっと自ら動いてもらいたい。」
「積極的に意見を言ってほしい。」
外国人部下を日々マネージメントされている皆さんには、
このような悩みをお持ちの方は多いと思います。
では、どうやったら主体性を持ってくれるのでしょうか・・・?
先日も、
「タイ人スタッフがいつも指示待ちで、自分から全然動こうとしないんです。」
と日ごろから頭を悩まされているAさんとお話する機会がありました。
その方はエンジニアとしての実績が認められマネージャーに昇格された優秀な方で、
人間的にも穏やかな印象です。しかし日本人の部下の管理・育成の経験も
ないままタイに赴任、いきなり外国人のマネージメントをすることになりました。
「スタッフのことを考えて、こうしたらいいじゃないって日々丁寧に伝えているつもり
なんですけど、全然動いてくれないんです・・・。」
その話を聞いていた私は、
「それでは動かないでしょうね~」とお伝えしました。
「えっ?」
とAさんは戸惑ったような表情をされました。
「それでは動かない」
なぜでしょうか・・?
そもそも主体性とは、
簡単に言うと「自ら考え意志をもって決断し行動すること」です。
部下に主体的になってもらうには「自ら考え、自らの意思をもって行動する」
ためのコミュニケーションをとることが必要です。
これを一個一個分解すると
「自ら考えさせる」
「自らの意思を持たせる」
「自ら行動させる」 になります。
つまり最初の第一歩は、「自ら考えさせる」こと。
私自身、以前は部下から相談があった場合、
「◯◯したら良いんじゃない?」
「こうしたら良いと思うよ。」と即座に指示・アドバイスしていました。
お恥ずかしい話、今でもこのように即アドバイスし、問題解決し
自己満足してしまっていることがあると思います^^;
これでは部下の成長の芽を摘んでしまいます。
今回のAさんも過去の私と同様で、部下に考えさせるコミュニケーションが
とれていなかったのです。
「こうしたら良いじゃない?」と取るべき行動を教えているので、
部下は自分がすることについて考える必要がありません。
上司が
「こうしたらいいじゃない」と言ってくれたおかげで、
「考える行為」をしなくても、言われたことだけやればよくなります。
この「考えなくて良い体験」が繰り返されていけば、部下は考えないということに
慣れてしまい、それがいつしか当たり前になってしまい「習慣」となってしまいます。
上司が部下に対し「考えなくてよいコミュニケーション」をとれば、
部下はいとも簡単に自ら考えなくなってしまうのです。
(あまり一括りにするのは好きではないのですが、タイ人の方は日本人に比べて
特にそうなってしまいやすい傾向が総じて高いと思います。)
そもそも人間は変化を嫌うので(不快)、いつも考えないでいると、
考えないことが(快)となっていきます。
部下に主体性を発揮させたいのならば、上司はアドバイスするのではなく
考えることを部下に求め、実際に考えさせることです。
そのためには、本人に考えさせる「質問」をすることです。
「どうやったらいいと思いますか?」
「何があったら、その解決策は見つかりますか?」
「まずあなたにどう思いますか?」
「あなたが顧客の立場であれば、どう感じますか?」
「そもそも何のためにやってるんだと思いますか?」 等々、、、
このような質問が部下に考えさせる機会を生み出します。
質問を受け自分で考えて答えを探し出した部下は
「自分で考えた体験」ができます。
常に質問される環境にいればその環境に部下も慣れますし、
自ら考えることが当たり前になります。
アドバイスを質問に置き換えるだけで、考えさせるトレーニングはできます。
質問を使いこなす上司と、いつもアドバイスをしてしまう上司。
同じ能力を持った部下でも、質問を使いこなす上司と
いつもアドバイスをする上司では、1年後、いや3か月後には
部下にどれだけの差がつくでしょうか?
考えたら当たり前のことなんですけど、
実際には部下に考えさせ答えを待つ時間がもったいないので
わかっていてもついついまたアドバイスしてしまう。
このようなご経験はありませんか・・・?
私はわかっていながら何度も(いまだに)あります。。。
皆さんは部下に主体性を発揮させていますか?
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。(小野)
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