コロナ退職

<2021年8月31日号>

「もっと給料がほしい」
「仕事内容が思っていたものと違う」
「会社が遠い」
「上司/先輩とあわない」

おはようございます、小野です。

タイ人の退職理由、つい最近まではこのような理由が一般的でした。

しかし最近は、、、

「オフィスに出勤しないといけない」
「上司/同僚がマスクをしない」
「(この2つに対し)家族が猛反対」

こういう理由で退職を考える方が増えてきました。
これはホンネの部分で、会社には遠慮して伝えることが出来ず、
別の理由を伝えて退職する場合もあります。
一昨年はもちろん、昨年でさえ殆どなかった退職理由です。

まさに「コロナ退職」。

今回は「コロナ退職」について、一つずつ検証していきたいと思います。

1.オフィスに出勤しないといけない
今の時期、オフィス出勤が当たり前ではなくなりました。
タイでコロナが爆発感染している中、100%在宅勤務を実施している
企業が増えています。しかし業種の特性上(或いは会社の方針上)、
交代制在宅勤務を採用している企業、フル出勤を継続している企業等、
各社対応は様々です。

不安な従業員の気持ちも理解できないことはありませんが、企業側からすれば
このような理由で退職されるのは腑に落ちない部分でもあります。

下記を実施することにより、一定の対策を講じることは可能かと思います。
・オフィスに出勤しないといけない理由を、社員が納得するよう説明する。
・採用時に十分に説明し、本人の同意の上で入社してもらう。

2.上司/同僚がマスクをしない
何と「上司がマスクをしていない」という理由で退職を考える方がいるのが現状です。
実は私個人的には、距離を開け、仕切りがあればオフィス内ぐらい
マスクをしなくても良いのでは?という考えなのですが、日本人リーダーがこのような振る舞いだと、
「あの日本人上司は自分の事しか考えていない」というレッテルを貼られてしまいます。
本件に関しては、日本人と比べるとタイ人は相当センシティブだと考えた方が良いでしょう。

「郷に入れば郷に従え」、自身がマスクをすることで(或いは部下にするように指示)対応可能です。

3.1及び2に対し、家族が猛反対
本人がOKだと思っていても、家族が猛反対するケース。
こうなってしまうと企業としてはある意味不可抗力です。
事情を家族に納得していただけるよう、社員から直接説得してもらうしかありません。

入社前であれば、リモートワークの有無や頻度をしっかり説明し、家族の理解を得た上で
入社してもらうことで一定の対応は可能です。

そしてレアなケースですが最後にもう1点。
「上司がワクチンを接種しない」という理由で退職を考える、、、(゚д゚)!

その方によくよく話を聞いてみると、上司は決して流暢でない英語で
「I don’t want to get vaccine」と言ったそう。。。

英語が流暢でなければ、おそらくこれは
「ワクチン接種か~、出来れば受けたくないな~、嫌だな~、でも仕方ないな~、、、」
その日本人上司はこういうニュアンスで発言したのではないかと推測できます。

一方で受け取る側も意図を汲み取らずに(←日本人同士でないし難しい)、
「上司はワクチンを絶対に接種しない!と言っている」と、これまた流暢でない
英語力で解釈してしまったのでしょう。

母国語以外でのコミュニケーション、ニュアンスが伝わりにくいので難しいですよね。
ただ、こういう理由で退職を考える社員が(少数ですが)いるのが現実です。

勤務先がワクチン接種を強要する「ワクチン・ハラスメント」なる言葉がありますが、
これはある意味「サイレント・逆ワクチン・ハラスメント」です。。。

一つ言えることは、(我々日本人も含めてですが)相当敏感になっている方が多いのは事実。

「オフィスに出勤しないといけない」
「上司/同僚がマスクをしない」
「ワクチンを接種しない」

数年前の自分にこのコラムを読ませたら、「ありえない、作り話だ!!」と笑い飛ばされそうです。

数年後にはこの話が「昔こういうこともあったよね~」と、笑って振り返ることができる日が
一日も早く訪れることを、誰もが願っているはずです。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。(小野)

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