2人の日本語人材の給料変遷12年<前編>

エコアズ・ウィークリー <2023年2月21日号>

おはようございます、小野です。

今日はまず、あるタイ人2名の下記の数字をご覧ください。

     Aさん      Bさん
2011年  16,000     27,000
2016年  27,000     41,000
2019年  40,000     66,000
2021年  45,000     18,000
2023年  51,000     30,000前後

この数字は何の数字でしょう・・・?

タイトルの通り、AさんBさんそれぞれの給料の変遷になります(単位:タイバーツ)。
ちなみにAさんBさんは同じ年齢で、同じ日本語N2人材になります。

AさんBさんとも弊社の登録者で、たまたま同じ時期に話す機会があったので、
二人の給与について改めて確認したところ、上記のような数字となりました。

同じ日本語人材なのに何故ここまで給料が違うんでしょう・・・?
しかもBさんは現在30,000バーツと一番給料が高かった時期と比べると
50%以上のダウン、、、

この数字を見て私自身は「う~ん、やっぱり、、、」と思いました。

二人の経歴を追ってみたいと思います。

2011年(新卒)
Aさん バンコク日系企業にAdmin. Staffとして入社(当時N3)   
Bさん 郊外日系企業に通訳として入社(在学中にN2取得)

2016年
Aさん 同会社にて社長アシスタントに抜擢(前年にN2合格)
Bさん 郊外日系企業に通訳として勤務中(既に3社目)

2019年 
Aさん バンコク日系業に秘書として勤務(2社目)
Bさん 郊外日系企業に通訳として勤務中(5社目)

2023年
Aさん 社長からの任命で2020年から営業課長に(2社目)
Bさん コロナの影響で失職、フリーランス3年目

以上です。
Aさんは周囲への気配りや持ち前の明るさが社長から評価され、2020年に営業課長に。
よく営業職への転身を受け入れたな~、と私自身は思いました。しかしAさんは
「将来組織の幹部になるためには営業を経験することは絶対にプラスになると思いました。」
と、非常に前向きでした。
ちなみにAさんは現在はN1を勉強中です。おそらく数年以内に合格するでしょう。

一方でBさん。
日本語通訳者として転職のたびに順調?に給料があがっていきました。
しかし2020年のコロナショックにより状況が一変。
勤務先がタイから撤退し職を失った後、思うように転職先が見つからず
そのままフリーランス通訳者となり、収入が不安定な状態です。
最近は徐々に仕事が入りだしましたが、それでも2019年の半分もいきません。

Bさんのような日本語人材がマーケットに結構多いのが現状です。

コロナの影響で、「日本人駐在員の帰任」「日本からの出張者の激減」等による
理由から、日本語通訳のニーズが一時は壊滅的状況に陥りました。

「在タイ日系企業数のピーク超え」「日本語人材需要の減少」等、いくつの要因が
ありますが、残念ながら将来も通訳人材のニーズはコロナ前に戻ることは無いでしょう。

私は通訳希望の日本語人材と話をする際に、
「ずっと通訳ではスキルが身につかず将来絶対に困るので、必ず他の経験も積んでくださいね」と、
可能な限り発信し、アドバイスするようにしてきました。これはタイに限ったことではないのですが、
今まで多くの通訳「のみ」人材の、決して良しと言えないキャリアの末路を見てきているからです。

この問題に対し、我々日系企業が何か出来ること、すべきことはあるのでしょうか・・・?

続きは次週にお届けいたします。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。(小野)

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