エコアズ・ウィークリー <2023年4月18日号>
おはようございます、小野です。
今回のソンクラーン休暇、如何でしたでしょうか。
3年ぶりに日本に帰国され、久々の日本を満喫し、大切な方と時間を共にし、
そして母国の素晴らしさを改めて実感された方も多かったのではないでしょうか。
ちなみに私はエコアズ台湾への出張も兼ね、2週間ほど台北に滞在していました。
さて、今回は新たに赴任されてくる方が多い時期ということもあり、
在タイ日系企業の日本語スピーカー人材の給与体系について
お話させていただきます。貴社が日本語スピーカー人材を採用される
際の参考にしていただければ幸いです。
日本語スピーカー人材の給料は、「日本語」という特殊スキルがあるため、ローカルスタッフの
給料と一定の差が生じます。「日本語」という付加価値を補うための最も一般的な
「日本語手当」をはじめ、主に下記の3つに分類されます。
1.日本語手当を支給
2.契約社員として採用
3.経営サイドの独断で決定
1.日本語手当を支給
これが最も多いケースです。手当額は日本語能力試験のレベルに対応して支給する
のが一般的です。支給額はもちろん企業によってバラツキがありますが、おおむね
以下のレンジにおさまります。
N4 1,000~2,000(或いは支給なし)
N3 1,000~5,000
N2 5,000~10,000
N1 8,000~20,000
N1以上になるとかなり手当のレンジが広くなり、THB20,000以上支給している
企業もあります。
2.契約社員として採用
以下のような事情により、「契約社員」として採用されることがあります。
・通訳のような専門職で例えば給料が8万バーツで、ローカルスタッフの給与体系に
あてはめることが極めて困難な場合。
・日本留学経験があり日本語堪能な人材だが、日本語資格(JLPT)を持って
おらず、他の日本語スタッフとの給料に差が出てしまう場合、日本語能力試験
合格までの暫定措置として適用。
契約社員の場合、1年毎の契約更新というのが一般的で、「ボーナスが無し」
「ボーナスや福利厚生等の待遇が正社員の80%程度」、「待遇は正社員と全く同じ」等、
企業によって待遇はバラバラです。他の社員と同様に、正社員として採用したいけれども、
給料差がありすぎてローカルスタッフに示しがつかない、という理由の企業が多いようです。
蛇足ですが、同じ理由から日本人現地採用も契約社員として採用する企業もあります。
3.経営側の独断で決定(日本語手当なし)
例えば、
ローカルスタッフA THB27,000(基本給のみ)
日本語スタッフB THB32,000(同じく基本給のみ)
(※AとBは日本語スキル以外は同年齢、ほぼ同経験・同スキル)
と、このような感じです。
このケースは会社が小規模の場合やスタートアップ時にはさほど問題ないの
ですが、会社の規模が大きくなり従業員が増えていくにつれ、日本語手当の
創設等の対応が必要になってきます。
以上です。
10年というスパンで改めて考えてみると、
「相対的に日本語スキルに対する市場価値が下がっている」
気がします。
この10年で「基本給」や「通勤費」等はアップしたけども
「日本語手当」は据え置き、という企業も少なくはないのでしょうか。
タイ人ローカルスタッフの給料は上昇し続けているのに、日本語手当及び現地採用
日本人スタッフの給料が横ばいであり続けるのは、日本の経済力(国力)の
衰退を意味するところでもあり、複雑な心境になります。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。(小野)
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